【彼女との話】「早く結婚してくれ」 従姉に恋をした。信じられないほど心が痛い。彼女に会ってから今日まで、一年一年、一日一日、その痛みは蓄積されていき、今は極限だと思う

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:2005/11/19(土) 06:21:58 ID: 12月。
いつものように送られてきた恵子ちゃんのメールは沈んでいた。

秋に仕上げた書の作品が落選したという。
彼女の書道歴は年季が入っており、
階位で言えば「師範」の腕前を持っていた。
それだけに周囲から受けるプレッシャーも相当なものだったろう。
加えてあの頃の彼女のプライベートはボロボロだったし。
無鑑査で出展はされるが、見に行く気力がないと言っていた。

拠り所とするものが上手くいかない。
きっとそれはものすごく辛いことなんだろうな。


    186:2005/11/19(土) 06:23:18 ID:
    すぐさま慰めたくて俺は携帯を手にとったが、
    口にできる言葉なんて高が知れている。
    俺はメールを送ることにした。

    「ひとつの作品を生み出したというコト、
     それを多くの人が見にくるというコト、
     それが恵子ちゃんへのご褒美だと思う。
     だから、おめでとう」

    返事はすぐ来た。

    「ありがとう。
     まだまだ私は未熟だけれど、でも何かを表現したくて、
     それをいろんな人に見てもらいたくて、
     だから、それを形に出来て、そういう場を持てているということは、
     有難くて、幸せなことなんだよね。目が覚めました。
     とっても素敵な言葉を、ありがとう」

    おかげで展覧会に行く気になれたと彼女は言った。
    上野の美術館で来年2月。
    ぜひ一緒に観てほしいという彼女に、俺は「もちろん!」と約束した。

    今年もひとりの年末だったが、心は少しあったかかった。


    187:2005/11/19(土) 06:24:16 ID:
    2004年。
    年が明け、俺は2月を心待ちにした。遠足を待つ小学生の気分。

    仕事はますます不規則になり大変だったが、張り合いがあるから苦にもならない。
    現金なものだ。

    そして当日がきた。
    上野駅に降り立つとすでに恵子ちゃんはいた。

    なんか痩せたな。ちゃんと食べてんのか?

    「恵子ちゃんもお母さんも、身体は大丈夫?」
    ふたりとも快方に向かっているとのことだった。
    しかも彼女は地元で職に就き、順調な生活を送っていると。ほっとした。

    一年半ぶりに会う恵子ちゃんの笑顔は変わってなかった。


    188:2005/11/19(土) 06:25:13 ID:
    彼女の案内で美術館へ。
    「初めて見せるね、私の作品。これが賞を逃した傑作です(笑)」
    彼女の指の先に、懐かしい字があった。

    今回の作品は俵 万智の歌だった。

     朝市はにんげんの市。
     食べる買う歩く語らう
     手にふれてみる。

    この歌は俵のバリ旅行記の歌だそうだ。

    昔、恵子ちゃんもバリを旅行したそうで、
    その時感じたバリという国が持つ生命力が、あのとき無性に懐かしくなったという。

    きっと彼女は自分の作品に癒されようとしたんだろう。
    あんな精神状態の中でこんな力強い文字が書けるなんて。
    しかもそれを書いたのは、今俺の横にいる小さな女性なのだ。
    「この人です!この人がコレ書いたんですよぉ!」
    俺は叫び出したくなった。


    189:2005/11/19(土) 06:26:15 ID:
    その後、2時間以上もかけて会場を観て回った俺たちは、
    彼女の「ベタな観光地に連れてって(笑)」という要望を叶えるべく、
    汐留の有名な店でランチをとり、お台場の某TV局を巡った。

    「なんだか垢抜けたね、健吾君。いろいろあったんだろうね」

    TV局の「球」から夕暮れの海を眺めていたら、
    恵子ちゃんがまじまじと俺の顔を見て言った。

    ドキンとしたが、
    「もともと持ってた俺の都会的な一面が、ハマで開花したんだよん(笑)」
    とかわした。

    恵子ちゃんはツッコミもせず、ただ微笑んでいた。


    190:2005/11/19(土) 06:26:56 ID:
    帰りの新幹線の時間を気にしなくてもいいように、
    俺たちは東京駅で晩飯を食べることにした。

    酒も食もすすんだ。
    ふと、恵子ちゃんが言った。

    「あのね。私、今付き合ってる人いるの」

    鼻の奥がツーンとした。


    191:2005/11/19(土) 06:28:11 ID:
    その彼は友人から紹介された人だと言う。
    年は30代後半。大人の人だ。

    「おお!おめでとさーん!」
    やめろ馬鹿。
    「どんな人?照れんなよぉ!教えろって(笑)」
    口が止まらない。

    「ん。やさしい人。私が大変な時も助けてくれた」
    「いいじゃん、いいじゃん!…で、結婚とか考えてるの?」
    「まだわかんない。そういう話はまだしてない」
    「しちゃえばいいじゃん!恵子ちゃんに気持ちはあるんだろ?」
    「うん…でも考えること、いろいろあって」
    「なにを考えるってのさ?こういうのってタイミング大事だぞぉ(笑)」
    お前はそのタイミングをいつも逃してるだろ…。

    恵子ちゃんが真顔になった。
    「なんか…結婚させたがってない?」

    「そ、そりゃ従姉が幸せになるってのは嬉しいことだもの!」

    「ありがと」と言う恵子ちゃんとは目が合わせられなかった。

    改札口まで恵子ちゃんを送った。
    早く帰したいような、引き止めたいような。
    改札の向こうに行ってしまった恵子ちゃんは、何度も振り返って手を振った。
    姿が見えなくなるまで俺も手を振った。


    192:2005/11/19(土) 06:29:22 ID:
    また、“大好きな”悶々とした時間が訪れた。

    開き直ってわずか3、4ヶ月。
    これが結末か…早いなちょっと。もう少し時間があると思っていた。

    一ヶ月後、結婚式の招待状が届いた。
    送り主の名は…田中…。

    きた!!!!!!!

    …ん、いや、違う。恵子ちゃんのお父さんの名じゃない。

    それは田中一族の別の従兄さんからの招待状だった。

    脱力して安心し、安心したことに憮然となった。

    (もう覚悟決めろよ、俺)

    しかし覚悟を決める材料は、
    いつまで経っても恵子ちゃんから届かなかった。


    193:2005/11/19(土) 06:30:20 ID:
    6月。
    従兄さんの結婚式に出席するため俺は帰郷した。

    2月以来、一切連絡を取り合っていなかった恵子ちゃんと顔を合わせる。
    いたって普通。元気そうだ。変に意識していたのは俺だけだった。
    きっと彼氏とうまくいってるんだろうな。チクリとした。

    またも席は同じテーブルだった。
    しかも今回は隣。まぁ、意識する必要はないんだけど。

    披露宴もたけなわを迎えた頃、恵子ちゃんが俺の肩を叩いた。

    「終わったらすぐ帰るの?」
    「いや。この後親戚だけで軽く飲むんでしょ?顔出してくつもりだよ」
    「そう。だったら後で時間くれる?話があるの」

    きた。今度こそきた。はぁ。

    「んん~?彼氏のことかい?(笑)」

    おどけた俺の言葉は、なぜか無視された。

    「???」


    194:2005/11/19(土) 06:31:17 ID:
    田中の家に移ってからは、時間がやたら長く感じた。
    酒の味もよくわからない。

    やだなぁ。ああ、いやだ。
    このまま恵子ちゃんのスキを見て、逃げちゃおっかな。
    本気で考えた。

    帰りの新幹線の時間が迫ってきた。
    恵子ちゃんは台所に行ってる。
    チャンスだ。
    俺は中腰になって「そろそろお暇しますね」と親戚一同に挨拶した。
    従兄のひとりが「駅まで送るよ」と言った時、背後から声がした。

    「私、送るよ。飲んでないし」

    …恵子ちゃん。
    つかまってしまった。


    195:2005/11/19(土) 06:32:25 ID:
    みんなの手厚い見送りを受け、恵子ちゃんの車に乗り込んだ。

    走り出すと恵子ちゃんが言った。

    「話があるって言ったじゃない」
    「ご、ごめんごめん。酔ってて…」

    彼女は怒ってた。ちょっと怖い。

    駅前のロータリーに車が止められた。
    俺は覚悟を決めた。でもまた口が動いた。

    「とうとう彼氏と結婚する気になったん?」

    「黙って聞いて」

    ぴしゃりと遮られた。

    「あのね」

    「健吾君のことが、好きなの、ね。
     付き合ってほしいな、って」

    今までで一番色気のない告白だったが、
    俺を一番動揺させた告白だった。


    197:2005/11/19(土) 08:46:30 ID:
    >>195
    キタ━━━(゚∀゚)━━━!!!!!
    恵子ちゃんからの告白
    キタ━━━(゚∀゚)━━━!!!!!
    つかの間のしあわせ、かな?

    1◆さんは文章表現がうまいですね~。内容もあり、抜群のうまさです。
    早朝からのカキコがスタイルになりつつありますが(たぶん1◆さんのお仕事の関係か!?)、
    このスタイルも好きです。最近は、日々の私の仕事場での最初の仕事が、1◆さんのスレのチェック
    になってきましたよ~ 。やばっ!orz...
    無理せず、けれど、着実に、書いて下さい。おーえんしまくりー!!!


    198:2005/11/19(土) 08:52:12 ID:
    毎朝チェックしてます。
    頑張ってください!


    201:2005/11/19(土) 11:32:22 ID:
    親のしがらみで自分を抑え付けてるのは、ただの弱さでしかないわな。
    芽衣子さんがそんなにやばいとは思えない。


    208:2005/11/19(土) 22:07:45 ID:
    恵子ちゃんの告白がきてしまったが、
    俺は、合コンで出会った関口さんがなぜか気になる!?
    何か、ひと悶着なかったのかな?メアド交換もしていたようだし、
    何もなかったはずない!?って思うのは、俺だけ?
    だって、1◆さんは、知り合った女の子が次々と(?)好きになってしまう程の
    人柄と容姿を合わせ持っているイケメンと思われ~るから。

    1◆さん、実際はどうっだったんですか?


    214:2005/11/20(日) 04:16:40 ID:
    1さん乙です。
    告白も気になるけど、>>208さんと同様に今までの流れからすると、
    関口さんとこれだけで終わるとは思えない希ガス。


    215:2005/11/21(月) 16:33:59 ID:
    続きです。
    毎回応援・支援の言葉をいただき、ありがとうございます。
    今日は夜勤明けのため、少し寝たいと思います。

    >>197
    >>198
    朝、チェックしてくださっているとのこと、ありがとうございます。
    変な時間になってしまいすみません。

    >>201
    どきんとしました。仰るとおりです。

    >>208
    >>214
    続きを読んでいただけると幸いです。


    216:2005/11/21(月) 16:35:19 ID:
    もう1コ、脳が欲しかった。
    とてもじゃないが混乱しすぎて整理できない。
    また病気が再発したんじゃないかと思えるほど鼓動もひどい。

    ようやく、半開きになった口から言葉を出した。

    「かかか、彼氏は?彼氏のことは?」

    「別れたの」

    恵子ちゃんはずっとそっぽを向いたまま、こちらを見ようとしない。

    「別れたって…どうして!?」

    恵子ちゃんが上ずった声を上げた。

    「理由なんかない!」



    「健吾君が、好きなんだもん」

    もうこの場に居るのが耐えられなかった。

    「ごめん。考えさせて」

    俺は逃げた。

    最後まで恵子ちゃんはこちらを見なかった。


    217:2005/11/21(月) 16:36:38 ID:
    いつもなら爆睡する新幹線。でも今日は寝れるわけがない。

    うれしかった。正直に。

    本当に好きで好きでたまらない相手から告白された。
    初めての経験。

    恵子ちゃんの顔が浮かぶ。
    思考が短絡化する。

    もう何も考えないで、恵子ちゃんの気持ちに応えてしまおうか。
    「俺も好きです」と、ぶちまけてしまおうか。

    きっと最高の日々が始まる。
    笑顔の俺の顔が頭に浮かんだ。



    …いけね。また口、開いてら。

    乾いた口の中を舐めた時、親父の顔も浮かんできた。


    218:2005/11/21(月) 16:37:35 ID:
    我に返ると横浜に着いていた。
    あんなに考え事をしていたのに乗り換えミスも乗り過ごしもしていない。
    習性ってすごいなと、くだらないことを考えて気を紛らわそうとした。

    引き出物を床に広げ、もらった折り詰めに箸をつける。
    普段食べてるコンビニ弁当よりも格段に豪華な食事。
    なのに食がすすまない。

    恨むよ、恵子ちゃん。
    せめて夕食後に告白してくれれば。
    いや、だからといってどうというわけじゃないんだけど。

    愚にもつかないことを考えながら、食べ残した折り詰めを冷蔵庫にしまう。

    ダメだ。今日は何も考えられない。
    車の中での風景がリピートされる。

    「考えさせて」

    馬鹿な台詞を吐いたもんだ。考える余地なんて、そもそもないだろ?
    もうずっと昔から、答えなんて決まってただろうに。

    もう寝よう。夢を見よう。いい夢たのむ。


    219:2005/11/21(月) 16:38:26 ID:
    0時頃、メールの着信音で目を覚ました。

    恵子ちゃんからだった。
    立て続けに3通。

    俺はメールを開かずにまた目を閉じた。



    ………。



    着信ランプが瞼越しにチラつく。

    わかった。わかったよ。見りゃいいんだろ。

    薄目でメールを開いた。


    220:2005/11/21(月) 16:39:29 ID:
    「こんな夜中にごめんなさい。
     無事、お家に帰れたでしょうか。

     さっきは聞いてくれてありがとう。
     でも恥ずかしくて伝えられなかったことがあって…メールしました。

     私は、健吾君と話をしたり、一緒にいると楽しいの、ね。
     健吾君の話は、
     色んなところに話が広がっていったり、色んなことが出てきたりして、
     頭の中いっぱい引出しがあるんだなぁって、すごいなぁって、
     いつも思ってた。
     気楽でお馬鹿な話題が多かったけど(ごめんね)、
     健吾君がする真面目な話も好きだった。
     その中で、健吾君の言葉で前向きになれたり、
     「あ、そうか」って気付かされたりしたことがいっぱいあったの。
     それも、とっても素直に。

     落選した時にもらったメールでは、
     とっても素敵な言葉の使い方をする人なんだなって思ったし、
     忘れかけてたことを思い出させてもらいました」


    221:2005/11/21(月) 16:40:08 ID:
    「それと健吾君って、最初に会った頃から変わったような気がするのね。
     良い意味で。(どこが?って言われると上手に説明できないけど)
     その、変わっていけるというか、変われる力を持っているというか、
     そういうのがとてもすごいなぁと、かっこいいなぁと、思ったの。
     そして他にもいろいろ…。
     だから、好きになりました」


    222:2005/11/21(月) 16:40:51 ID:
    「好きって気持ちに気付いたのは、東京で会った時。
     今まで色々あったから、無意識に気付かないようにしてた気がする。
     でも気付いてしまったから、色々考えたけど、伝えようって決めました。

     従姉弟だから、だからこそ言いました。
     言わないでこの気持ちのまま見ていくほうが、嫌だなって思ったの。

     上手く伝えられているかわからないけど、
     どんなでもいいから、
     健吾君の気持ちを教えてほしいな、です。

     長くなってしまってごめんね。
     おやすみなさい」


    223:2005/11/21(月) 16:42:40 ID:
    翌日は夜勤だったから、出勤時間まで時間があり過ぎた。

    起きて洗濯に取り掛かった。
    チンした折り詰めを無理矢理、腹に入れた。
    未開封のDVDを観た。

    それでも時間はなくならない。

    早く職場に行きたかった。
    仕事が始まれば、考えることは仕事のことだけになる。

    出勤前に少し寝ておこうとベッドに入った。

    …寝れない。

    何度も寝返りを打つ。

    …ダメだ。

    寝酒を飲んだ。

    具合悪くなった。


    224:2005/11/21(月) 16:43:27 ID:
    結局一睡も出来ずに時間は経った。
    必死に歯磨きして酒の臭いを消し、会社に行った。

    こういう時に限って仕事は暇。

    逃げても無駄。眺めていた天井がそう言った気がした。


    225:2005/11/21(月) 16:45:53 ID:
    考えよう。
    みんなが笑顔でいられる方法を。

    シミュレーションが始まった。

    1.恵子ちゃんと付き合う。
       ↓
    2.円満に交際が進み、お互い結婚の意志をもつ。
       ↓
    3.彼女を親父に会わせる前に、親父と母のこれまでの経緯を話し、
      母(太田家)と親戚関係にあることを親父に言わないよう口止めする。
       ↓
    4.結婚。披露宴はガーデンパーティ。

    ………アホか。

    4の前には「両家顔合わせ」があるじゃないか。
    その時に恵子ちゃん側の誰かが口を滑らしたらバレるだろ。

    なら、

    4.田中、太田の両家の人間全てに口止めする。
       ↓
    5.結…

    ………無理だそんなの。


    226:2005/11/21(月) 16:46:59 ID:
    大体、
    結婚式なんてことになったら親父か母、どちらかは参列できなくなる。

    親父は妹の結婚式の時、参列を辞退した。
    母に「花嫁の親」としての権利を譲ったのだ。
    結果、妹はバージンロードをお父さんと歩いた。

    この上、息子の晴れ姿まで見せられないなんて。

    いや、俺が誰と結婚しようが、
    ふたりが揃って参列することはないんだろうけど。

    ええい、もう。

    それに口止めが成功したって。
    一生、恵子ちゃんにウソをつかせるのか?
    田中や太田の人たちに、ワケのわからない約束をずっと守ってもらうのか?
    そして親父を、一生だまくらかすのか?

    みんなが笑顔でいられる方法?
    そんなのありゃしない。



    二ヶ月後、俺は恵子ちゃんにメールを送った。


    227:2005/11/21(月) 16:47:52 ID:
    「こんばんは。
     元気に過ごしてますか?

     まずはお返事が遅くなってしまったことをお詫びします。

     そして、ごめんなさい。
     俺は恵子ちゃんとお付き合い出来ません。

     あれから色々と考え込んでいました。

     正直な話、俺も恵子ちゃんと会っていると楽しいです。
     俺の一方的な感覚かもしれませんが、
     恵子ちゃんとはウマが合うと感じています。
     打てば響く会話、
     同調し合える価値観、
     何より恵子ちゃんの誠実さにはいつも感嘆していました。
     (いつも馬鹿なことばっかり言って、
      その気持ちは表に出ていなかったかもしれませんが)

     ですから、
     これまでの恵子ちゃんとの関係を恋愛に発展させるのは、
     俺にとって非常に良いことだと思えます。

     しかし俺は、恵子ちゃんを恋愛対象として見ていません。

     女性として見ていないわけではないのです。
     ただ今まであまりにも近いところで接していたから、
     親友としての気持ちしか持てないのです。

     残酷な言い方になって、本当にごめんなさい。
     どうかお身体をお大事に」


    228:2005/11/21(月) 16:49:56 ID:
    送信ボタンを押した時、吐き気がした。

    二ヶ月も待たせた挙句、なんて返事だ。
    こんなに残酷な言い方をする必要があったのだろうか?

    だけど親父のことは出せない。
    恵子ちゃんに「じゃあ、そのことがなかったら…」なんて思わせるわけにはいかないのだ。

    これでいい。
    こんな男を美化させる必要はない。

    恵子ちゃんとの付き合いはこれで終わってしまうだろう。
    それに耐えられるように、俺は強くならねば。


    229:2005/11/21(月) 16:50:47 ID:
    一週間後、恵子ちゃんからメールがきた。

    「メールありがとう。
     正直、お返事は諦めていました。

     結果は残念ではあったけど、
     でも、健吾君が二ヶ月考えてくれたこと、
     そしてちゃんとお返事をくれたことに、
     今は感謝しています。
     本当にありがとう。

     気持ちを伝えることが出来て良かった。
     言わないときっと私は後悔してた。
     まだちゃんと気持ちの整理がついたとはいえないけど、
     でも、好きになれたことは、うれしかったよ。

     最後にお願いがひとつ。
     これからも健吾君とは今までどおりのお付き合いがしたいです。
     それだけでいいから。
     次に会う時は、従姉として普通に会えるようにするから」


    230:2005/11/21(月) 16:51:57 ID:
    複雑な気持ちだった。

    嫌われなかったことに「ほっとした」、なんてことはない。
    むしろ避けられるほどに嫌われたかった。

    物理的な距離は遠いのだから、会おうと算段しなければ、会わないで済む。
    一年に一回会うか会わぬかの関係なら、忘れられる日もきっと早く来る。

    だが、彼女の言う「今までどおりの付き合い」
    それはこれからも一緒に書展に行ったり、一緒に食事したり、
    そんなことを意味するのだろう。

    「こちらこそ。これからもよろしく!」

    返信したメールとは裏腹に、
    これからはもっと意識的に彼女を避けなければ、と思った。
    彼女を傷つけないように。
    彼女に悟られないように。
    “意識した無意識”で。


    231:2005/11/21(月) 16:52:41 ID:
    秋の始め、俺はとりそびれていた夏休みを利用し帰省した。

    折り良く、
    他県に住んでる妹一家や、妹たちと同じ県で住み働いている義弟も
    遅めの夏休みで里帰りしていた。
    みんなが揃うのは久しぶりだった。

    帰省最終日、みんなで食事に出た。
    お父さんの行きつけの店だった。

    姪っ子たちにいじられながら、合間合間で酒食を楽しむ。
    忙しないが落ち着く。東京では得られない安らぎ。

    と、義妹が厨房から男性を連れてきた。
    「健吾君は初めて会うよね。今、付き合ってる人です」

    聞けばその人とは結婚を前提に同棲も始めており、
    お父さんも公認の男性だった。

    「はじめまして。これからよろしくお願いします、お兄さん」
    俺よりも年上なのに深々と頭を下げる彼。
    こそばゆかったが、ふたりの幸せそうな顔に俺の顔も綻んだ。


    232:2005/11/21(月) 16:53:34 ID:
    すると義弟が口を開いた。
    「俺も結婚します」

    彼も同棲している彼女がいた。
    会ったことはまだなかったが話だけは聞いていた。

    しかも、
    「子供、できちゃって(笑)」
    とまで言った。

    あらら。お兄ちゃん、ちょっとショックよ。

    数年前には結婚一番手だったのに、いつのまにやらドンケツだ。
    いや、相手もいないんだからスタートラインにすら立ててないじゃないの。

    笑顔で動揺してた俺の心中を見透かしたかのように、母が言った。

    「とうとう、アンタひとりだね(笑)」

    ズッシーン。それを言っちゃあ、おしめぇだよ母ちゃん。

    「アレでしょ?おにぃ、結婚する気ないでしょ?」と妹。

    「なぜ?」
    「なんか、独身で遊んでるのが楽しいって感じ」
    「だね。アンタ今、結構充実してるでしょ?」

    …お前ら何年、俺の母親と妹やってんだよ。
    身内に遊び人と思われてるとは。

    その後、みんなが俺の結婚観を代弁してくれた。
    ひとっつも当たってなかったが。


    233:2005/11/21(月) 16:54:17 ID:
    東京に戻った俺は仕事に打ち込んだ。
    というか、打ち込むしかなかった。
    張り合いはなかったがヤル気は出した。

    ある日、先輩(合コンに誘ってくれた人)に飲みに誘われた。

    「お前に会わせたい人がいるんだ」

    生ビールで乾杯した後、意味深な目つきで先輩が言った。

    「誰です?女のコでも紹介してくれるんですか?(笑)」
    「んふふ」

    いたずらっ子のような目で先輩は笑った。


    234:2005/11/21(月) 16:55:09 ID:
    一時間ほど経った時、先輩の「会わせたい人」が来た。

    関口さん、だった。

    関口さんとは合コンの後、2~3ヶ月ほど一緒に飲みに行った。
    先輩と一緒だったり、ふたりだけで行ったこともあった。
    しかしいつしかお互いに連絡もしなくなり、ここずっと疎遠になっていた。

    先輩の隣に座った彼女が、眉を落として挨拶した。頬が赤い。

    「お久しぶりです」
    「ほんと、久しぶりだね~」

    「あのな」
    先輩が俺のジョッキに自分のジョッキをぶつけながら言った。

    「俺ら、結婚するんだ」

    はぁ、そうですか。


    235:2005/11/21(月) 16:56:05 ID:
    おいおい。会社でも俺ひとりかい。

    会社での独身男性もとうとう俺だけとなった。

    帰りの電車の中、吊革にもたれながら外の暗闇をじっと見る。
    無性にこみ上げてくる孤独感。酔ってるから尚更。

    (まぁ、焦っても仕方ないのはわかってるけどさぁ)
    (でも焦らないと、お前、次のコト考えないんじゃないの?)
    (そうは言っても、こんな不規則な生活じゃ出会いも無いし)
    (仕事のせいにすんなよ。気の持ちようだろ)

    頭の中で一人で会話しながら、乗り換えのために地下鉄ホームへ。

    (出会いなんて、その辺にころがってんじゃないの?)

    ちょっとだけ、カッコつけてホームに立ってみた。


    299:2005/11/25(金) 11:26:31 ID:
    続きです。
    待ってくださっていた方々、間をあけてしまい、申し訳ありません。
    仕事でトラブルがあり、対処に追われておりました。

    いろいろとご意見・ご感想を頂いているようで恐縮しています。
    おそらくあと1、2回のアップで終わることができるかと思いますので、
    どうか最後まで書かせてください。


    300:2005/11/25(金) 11:28:44 ID:
    11月。夜勤明け。

    携帯の留守電をチェックしたら親父からメッセージが入っていた。
    「母さんのことで話がある。連絡をくれ」

    大抵は忙しさに託けて電話を返さない俺だったが、
    この時のメッセージはなんだか親父が普通じゃない気がした。
    しかも親父の口から母のことが出るなんて。

    夜、親父に電話した。

    「あのな。お前には言ってなかったんだが」

    前置きした親父が語った話はひどく俺を動揺させた。


    301:2005/11/25(金) 11:29:54 ID:
    「母さんな、俺名義のキャッシュカード持ってるんだ」

    「母さん、ブラックリストに引っかかっててな。
     離婚後、母さんに頼まれて、信用金庫のやつ作ったんだ」
    「目的は?理由は?」
    「亜矢(妹の名だ)の私立高校の学費で生活が苦しいって」
    「苦しい?待てよ、あの時は俺も母ちゃんも働いてたから、
     亜矢の学費だってなんとかなってたはずだぞ?
     借金は親父が背負ってくれてたし…」
    「俺もそう思った。
     だけど私立は部活の寄付金だのなんやかんやで金がかかるって言われたんだ。
     それに、借金を背負う代わりに、亜矢の養育費はいらないって言われてたから、
     せめてカードぐらいはと思って、な。
     返済は母さんが責任持ってやるって言ってたし、
     現に返済が遅れて俺に督促の連絡が来ることもなかった。
     それにその後、亜矢は私立の短大にも入ったろ。
     だから、亜矢が短大を卒業したらカードも解約するって約束で、
     そのまま持たせてたんだ」


    302:2005/11/25(金) 11:30:58 ID:
    釈然としない。嫌な予感もする。
    「…それで?」
    「ところがな、カードが解約されてなかったんだ」

    「この間、俺のアパートに督促状が来てな。二ヶ月分たまってた。
     俺も『まだ解約しないで使い続けてたのか!』って思ったら頭がカーッとなってな。
     でも母さんに連絡してアチラの家に迷惑かけるわけにもいかんから、
     直接、信用金庫に電話したんだ。別れた女房が使ってるって言っちまってな」
    「それで…親父もブラックリストに入ってしまったのか?」
    「いや、きちんと払って解約してくれればそこまでの処置はしないって、
     信用金庫の担当者が約束してくれた。
     それで…悪いがお前に頼みがあるんだ。
     母さんや信用金庫と連絡とって、後の処理をしてくれないか?
     俺は母さんに連絡なんてしたくないし、出来ないし、
     それに今、仕事で名古屋に来てるんだよ。
     抜けられん仕事だから、信用金庫に出向くことが出来ないんだ」

    仕方ないか、としか思えなかった。夜勤明けで疲れていたせいもあると思う。


    303:2005/11/25(金) 11:31:52 ID:
    「わかった。やっとく」
    「本当にすまん。昔からお前に頼ってばかりで…」

    そこで電話が終わればよかった。

    「大体、アイツは、」
    親父が母に対する愚痴を言い始めた。

    離婚から今に至るまで、親父が母のことを悪く言うことはなかった。
    初めて聞く、親父の心情。溜め込んでいたのだ。

    だが俺にそれを聞いてあげられる余裕なんてなかった。

    「やめてくれよ!
     俺は親父と母ちゃんの息子だぞ!?
     そんなこと、聞かせることじゃないだろ!?」

    荒々しく携帯の電源を切り、ぶん投げた。


    304:2005/11/25(金) 11:33:12 ID:
    翌日、信用金庫に連絡をとった。
    既に親父が俺を代理人とする旨を連絡していたため話は早かった。
    解約には俺の身分証と、
    俺と親父が血縁であることの証明書があれば問題ないとのことだった。

    夕方、役所に戸籍抄本をとりに行き、そのまま仕事に向かった。

    職場に着くと、仕事を始める前に母に電話した。
    夕飯の準備をしていたという母に、すぐ本題を切り出した。
    「どういうことだよ?」
    努めて口調は抑えた。

    「ちょっと待って」
    母は慌てた声を出した。別室に移ったようだった。

    「お父さんから聞いたの?あれはちょっと振込みを忘れただけ。大丈夫」
    「…そういう問題じゃない!!」


    305:2005/11/25(金) 11:34:13 ID:
    「別れた旦那のカードを、
     再婚してからも使ってる神経がわからないって、言ってんだよ!!!!」
    「………」
    「俺もだいぶ貸したよな?あんまり返してもらえてないけど。
     お父さんが家にあんまり金を入れてくれないから、なんて言ってたけど、本当にそうか?
     そこにお父さん、いるんだろ?俺、お父さんに聞いてもいいか?」

    もちろん、そんなことはするつもりは無い。

    「それは…やめて。お願い」
    母の振り絞った声が、いつも思っていた疑問の答えになった。

    「…つまり…そういうことなんだな。
     お父さんが原因じゃなく、自分で勝手に作った借金なんだろ?」
    「…うん」

    「あんた、病気だよ」

    母は黙っていた。

    信用金庫に返す金を準備するよう母に言い、電話を切った。
    その日の仕事はやたら長く感じた。


    306:2005/11/25(金) 11:34:54 ID:
    翌朝、職場を出てすぐに信用金庫に電話した。
    これから訪ねる旨を伝え、次に母に待ち合わせの時間をメールする。
    その足で新幹線に乗り、今までで一番、気乗りしない帰郷をした。

    駅の改札口にいた母が目にとまった。
    その姿にますますムカムカした。

    母が何か言いかけたが、
    俺は黙って母の手から金の入った封筒をひったくった。

    信用金庫では責任者らしき年配の男性が俺の応対にあたった。
    つつがなく手続きが済んだ後、男性が言った。

    「大変ですね。お察しします」

    仕事上の言葉だったと思うが、少しありがたかった。


    307:2005/11/25(金) 11:35:48 ID:
    また12月がきた。

    いつもなら、年末年始に帰郷するのか母から連絡が来るところだが、今年はない。

    当然か、と思っていたら、恵子ちゃんからメールがきた。
    「今年は帰ってくるの?久しぶりに健吾君と会ってお酒でも飲みたいな」

    避けようと決めてからは俺からメールを送ることはなかった。
    恵子ちゃんから来ても、当たり障りのない言葉で2、3行のメールを返すだけ。

    この時も、仕事が忙しくて帰れないな~、風邪ひかないようにね、とだけ返した。

    実際、恵子ちゃんのことを抜きにしても、今年は帰りたくない。

    わざとスケジュールに仕事を入れ、職場のTVで除夜の鐘を聞いた。


    308:2005/11/25(金) 11:36:41 ID:
    2005年。
    1月の中頃のことだった。

    母と恵子ちゃんからほとんど同時にメールがきた。

    母の内容はこうだった。

    「お元気ですか?
     去年はひどい思いをさせて、本当にごめんなさい。
     とても反省しています。
     まだ怒っていることでしょう。当然です。

     だけど、それを承知の上でお願いがあるのです。
     2月に英治君(義弟の名)が彼女を連れて帰ってきます。
     彼女の家族とウチの家族の顔合わせをするのです。
     当人たちは結婚式をしないつもりだそうで、
     だからこの顔合わせはとても大事なものです。
     みんな、貴方も同席してくれるのを望んでいます。
     どうか一時だけでもいいので、私への怒りを我慢してもらえませんか?
     勝手なことを言ってごめんなさい」

    気持ちは大分落ち着いていたが、まだ母への怒りが消えたとは言い難かった。
    もちろん英治君たちは祝ってあげたい。
    でも…母の顔を見たらきっと俺は…。


    309:2005/11/25(金) 11:37:39 ID:
    悩んでいたら恵子ちゃんからメールが。

    「元気?
     2月にまた上野で書展があります。
     今回は入賞しました!
     もちろん今年も行く予定。
     一緒に行ける?
     またこのおのぼりさんを東京見物に連れてってほしいな」

    入賞したのか。
    よかったなぁ。
    うれしくて仕方ないだろうな、恵子ちゃん。
    一緒に祝ってあげたいなぁ。

    でも。

    すぐに返事のメールを送った。

    「ごめん。
     その日は仕事なんだよね。
     忙しい時期だから抜けられないんだ。
     入賞おめでとう。
     君はやればできる子だと思ってたぞ(笑)」

    仕事は暇だった。スケジュールのやりくりはいくらでも出来た。


    310:2005/11/25(金) 11:38:22 ID:
    恵子ちゃんからもすぐに返事が来た。

    「そっか~残念。

     私は健吾君の感想が一番好き。
     偉い先生とか書をやっている人とかから色んな感想や意見をもらうけど、
     書をやっていない健吾君からもらえる感想はとっても素直で、
     ストレートに私に入ってくるの。
     私の作品が書をやっていない人の心に残って、
     書って良いね~って思ってもらえてる、そんな気持ちになれるの。

     だから本当に残念。
     お仕事がんばってね。
     無理して身体壊さないようにね!」


    311:2005/11/25(金) 11:39:04 ID:
    10分後に2通目が来た。

    「話は変わりますが、工藤 直子って憶えてる?
     健吾君は観てないけど、
     健吾君が転勤するちょっと前の書展で
     私が作品の題材にした「花」という詩を書いた人。
     その人の本で私のお気に入りのがあるのね。
     それ、ぜひ健吾君に読んでほしいので送るね。プレゼント。
     本当は会って直接渡したかったけど。
     気に入ってもらえるといいな」


    312:2005/11/25(金) 11:39:52 ID:
    「花」
    本当は俺、あの作品観たんだよ、恵子ちゃん。

    あれを観て、俺は母との喧嘩別れを思い直し、
    家族を二度と切り捨てないって、誓ったんだ。

    恥ずかしくて、そんなこと君には話してないけど。

    恵子ちゃんの字が頭に蘇ってきた。

    どんなことがあっても家族は家族なのだ。

    俺は母に「出席する」とメールをした。


    313:2005/11/25(金) 11:40:58 ID:
    ホテルで食事をしながら、両家の顔合わせが執り行われた。

    こちらは亜矢の家族も同席し、ちょっとした大人数だったが、
    彼女側もおじいちゃんやおばあちゃん、兄姉の家族などが揃い、
    大変な賑わいとなった。

    (こうして、家族ってのは増えていくんだな)

    みんなに酌をしながら、そう思った。


    314:2005/11/25(金) 11:41:42 ID:
    会もお開きになり、お父さんが俺を駅まで車で送ってくれた。
    母も同乗していた。

    駅で一旦、俺と母を下ろし、お父さんは車を駐車場に置きに行った。

    母が口を開いた。
    「今日は本当にありがとう。ごめんね」

    今日は会ってからあまり会話をしてなかった。

    足元を見ながら話す母に、俺も言った。

    「ひとつだけ、本当のことを話してよ」
    「うん」
    「もう、借金は無いんだね?大丈夫なんだね?」
    「うん。大丈夫」
    「その言葉、信じるからね?」
    「うん。本当にごめんなさい」

    「ならいいよ。忘れようぜい(笑)」
    本心から笑えたわけではなかったが、それでも少しは軽くなった。

    母は相変わらず下を見ながら、また「ごめんね」と言った。


    315:2005/11/25(金) 11:42:35 ID:
    数日後、恵子ちゃんから荷物が届いた。

    中にはチョコと本が入っていた。

    本来の意味として受け取りたかったチョコを頬張りながら、本を読み始めた。

    工藤 直子 「ともだちは海のにおい」

    それはイルカとクジラの友情物語だった。
    どこかほのぼのとさせる挿絵と、飾らない文章がとてもいい。

    (確かに恵子ちゃんが好みそうだ)

    読んでいたら恵子ちゃんの顔が浮かんできた。
    読み進めたら、ますますその顔が増えた。

    だめだ。

    1/3も読まないうちに、本を閉じた。

    そしてそれ以来、一度もこの本を開いたことはない。


    316:2005/11/25(金) 11:43:30 ID:
    2,3日後、
    ホワイトデーの意味で俺も本を贈った。

    大森 裕子というイラストレーターの書いた絵本。
    「よこしまくん」と「よこしまくんとピンクちゃん」という2冊。

    見栄っ張りで、ヘソ曲がりで、ぶっきら棒で、格好つけなフェレットが主人公で、
    ピンクちゃんというガールフレンドがいる。
    大人が読んで思わず「くすっ」となる絵本だ。
    「ともだちは~」ほど深いものはないが、俺はとても気に入っていた。


    317:2005/11/25(金) 11:44:18 ID:
    恵子ちゃんからのお礼のメールは喜んでいた。

    「本、ありがとー!
     よこしまくん、すごくいい!
     かわいくて、ほんわかしてて。
     『けっ』とか『ふんっ』とか言ってるひねくれモノなんだけど、
     素直じゃないな~コイツ♪って感じで、どこか憎めない。
     こんな人、いるよねぇ…あ、いたいた!横浜にひとり(笑)
     ピンクちゃんとのコンビもいいね!
     なんだかんだピンクちゃんに言っても、
     ちゃーんとピンクちゃんのこと大事に思ってて、
     ピンクちゃんも、よこしまくんのことすごいなーって思ってて。
     なんか微笑ましい。
     ホントにありがとう!大事にします」

    ああ…そういや俺、似てるかもな。
    よこしまくんほど、ハッピーじゃないけど。


    【彼女との話】「早く結婚してくれ」 従姉に恋をした。信じられないほど心が痛い。彼女に会ってから今日まで、一年一年、一日一日、その痛みは蓄積されていき、今は極限だと思う

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    引用元:http://love3.2ch.net/test/read.cgi/lovesaloon/1131655290/